新しい学びのスタート
ウグイスの囀りが聞こえる聖の丘では134名の中学38期生、121名の高校35期生の新しい生徒達を迎え、2022年度が始動しました。創立35年目を迎えた本校では、高等学校における学習指導要領の改訂に合わせて、基礎学習のさらなる充実と論理力実践力の育む探究学習という、新たな学びに挑戦します。
それぞれの生徒達が持つ秘めたる才能を開花すべく、志も新たに先生方の特性と個性を最大限に発揮するとっておきの授業が始まります。5年前から取り組んで来た『A知探Q』という特別講座を高校1、2年生と正規の授業の中に取り組む「探究ゼミ」、中学3年生から始まる無料の放課後の発展学習や大学受験講座、中学生も19時30分まで高校生は20時20分まで居残って学習するSSR(Self Study Room)の設置のほか、夏季の特別授業と上位層を対象とした勉強合宿など、ワクワクするような学びが充実しています。
もちろん、学習面だけでなく、思春期にこそ必要な小規模ながらも多彩な部活動や、生徒の主体性と個性伸張を育む様々な学校行事など人間性教育も、新型コロナウイルス感染症拡大を考慮・警戒しながらも「日常」に近づけるよう努力して参ります。生徒一人ひとりが「思考との対話」を通じて、「学びの種」が100年という人生においていずれ花咲き、結実するよう教職員、保護者に地域の皆さんにも加わっていただき一丸となって支援して参ります。
しかし、何と言っても主役である生徒自身が「新しい自分と出会う」学びに立ち向かう姿勢が大切です。
校長になって以来、「しなやかに変化し続ける学校」を標榜し、生徒達と共に「少し高み」をめざす学校にしようと取り組んでいる発展途上の学校、それが多摩大学附属聖ヶ丘中学高等学校なのです。
こうした新たな教育実践を展開する中で、主役である生徒達に求められることとは、入学式の式辞の中でも取り上げた「人間力」の育成にあるといえます。具体的には「知的能力(知力と論理力)」「対人関係力(共感力)」「自己制御力(意欲と忍耐)」です。これらを獲得するために学校生活があるといって良いでしょう。様々な特性と異なる価値観を持つ仲間と共に、時には笑顔で時には議論し、活動を深めることで大きく成長するチャンスが生まれるのです。その意味で「何をめざしているのか」「どういう人になりたいのか」と自問自答すること(思考との対話)を続けることが、真のキャリア教育と言えるでしょう。また、一方で日常に埋没することなく、広く社会に目を開き、感情に流されるのではなく客観的な真実や概念に迫ることも忘れてはいけません。
こうした背景をもとに、2021年度修了式ではMichael Jackson の曲”Heal the world”を題材に、高校卒業式では式辞に代えて私らしく「カオスとコスモスについて考える」最期の授業を行い、始業式では「戦争はなぜいけないのか」について話題にし、生徒達に考える機会を提供しました。
さあ、今日からの授業、学校生活の中で新しい学びを楽しみ、高みをめざしましょう。
校長 石飛 一吉