【校長ブログ】ツワブキの花言葉
先週末から一段と寒さを厳しく感じるようになりました。
毎朝、6時半前には学校に向かう路線バスに乗っていますが、今日は道路脇の黄色いツワブキの花が綺麗だったので多摩大学より4つ手前の都立桜ヶ丘公園を過ぎた「聖ヶ丘橋」でバスを降りました。バス停から少し戻った交差点から横へ、聖ヶ丘2丁目の団地に続く斜面地にツワブキが自生していました。
ツワブキの学名はFarfugium japonicum。これはラテン語の「farius(列)」と「fugus(駆除)」を組み合わせたもので、キク科のフキタンポポ(Tussilago farfara L.)の古名に由来しています。学名の種名にあるように日本など東アジアを原産地とする多年生の植物で、本州では福島県以南の海岸や崖下の岩場などに自生しています。地形学的には崖をつくる岩石が侵蝕されて崩れ落ちた「崖錐(がいすい)」という開けた場所で多く見られます。養分が少ない荒れ地でも育つ丈夫な植物で、10月下旬頃になると60cm程度に成長した茎の上に黄色の散房状の花をつけます。花茎の下には緑の濃いつやつやしたハート型の葉があり、和名の由来には諸説ありますが、「ツヤブキ」がなまってこの名になったとも言われています。
ツワブキは四季の最後を飾る花と言われ、庭木に花色の少なくなるこの時期、私たちの目を楽しませてくれます。虫たちにとっても花の少ないこの時期には貴重な蜜を与えてくれる植物です。花期が長いので庭や公園の袖植物として利用されています。本来、茶室のあるには庭では、茶室に飾る花と重複を避けるため花などは植えないとされて来ました。江戸時代中期頃には、茶花としては適さないものの、フキに似た白や黄みを帯びた斑入りの葉は珍重され、茶庭に植えられるようになりました。ツワブキを漢字で書くと「石蕗」、俳句では「つわ」と読ませ冬の季語にもなっています。
ちまちまと した海もちぬ 石蕗の花 小林一茶
ツワブキの花言葉を調べて見ると、「謙遜」「愛よ甦れ」「困難に負けない」「先を見通す能力」とあります。「謙虚さ」「困難に負けない」という言葉になった理由としては、日陰で育てていても葉を茂らせられるほどの丈夫さを持っていることが考えられます。また、「愛よ甦れ」という花言葉には、日当たりが悪くても黄色の花が際立ち、美しさを変えないところから由来しているとされています。では、「先を見通す能力」のいわれについては…。皆さんはどう思いますか?辛抱強く地道に学びを続け、将来に備える実力を養いたいものです。