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校長

【校長ブログ】聖ヶ丘の新しい学び

 11月になりました。コロナ禍2年目の2021年度も後半になり、32期生となる高校3年生は、すでに出願の始まった学校型選抜(指定校推薦)、総合型選抜(AO,公募制推薦など)の準備を確実に進めていることと思います。また、一般選抜に挑む受験生は、先月29日に23大学を招いて校内で開催された出願相談会を参考に、いよいよ学習の総仕上げに入っていくことと思います。1月の大学入試共通テストが受験のスタートであり、続く各大学の個別入試日当日まで学力の進展を期待し、学ぶ姿勢を保ち続けることを望んでいます。また、これから学部学科を絞り込み、来年度の科目選択を決めようとしている高校2年生の皆さんも、この相談会において具体的な目標のイメージを抱くことができたのではないかと思います。いずれにせよ、試験日の近づく後半に強い現役生にエールに送ります。

 また、先月16日、23日と中学・高校の2回に分けて行った保護者会において、来年度から始まる新しい本校教育活動について説明を行いました。ここでは、聖ヶ丘の新たな試みについて、リーフレット『何のために勉強するの?』を使って、探究学習、放課後の学習支援、夏の特別講座、授業時間などについて教務部、教育企画部、学力推進部から説明を行いました。ここでは、新しい学びの概略を紹介しておきます。

 次年度には、文部科学省による新たな高校学習指導要領が全国的に始まります。本校では、これに先駆け6年前から進めてきた『A知探Qの夏』、昨年度から部分的に実施している改革、定期考査・放課後講習・習熟度別授業の見直しなど2年間におよぶ議論と準備を経て、いよいよ本格的な改革が始まります。たとえば、45分授業×7時間授業/日(月・火・木・金)、水曜日は午前中のみの4時間授業とし、午後は高校1・2年生だけを対象とした「多摩地域密着型」の「探究ゼミ」(2022年度は高校1年生のみ)を行います。併せて、これまでの土曜サポート講座、SStimeを見直し、事前教育された近隣の大学生の力を借りながら日々の放課後学習を充実させます。ここでは主に、日々の学習で不足していた学習を補う、宿題・課題や小テスト対策などの自発的な学習を支援します。また、部活動の回数や時間は変わりませんが、その後の居残り学習も可能とし、中学生は1930分、高校生は2030分を最終下校とし、それに合わせてスクールバスを運行します。加えて、専任教員が中心となって中学3年生以上を対象とした発展的な放課後講習、高校3年生向けの大学受験講座も行います。夏休み直前には、「国語」「数学」「英語」の各教科トップ30を集めたアドバンス講座と、その他のベーシック講座を開催(必修)します。さらには、今年は感染症拡大のため実施を見送りましたが、中学3年生と高校1年生のそれぞれトップ30の生徒を対象とした進路(勉強)合宿を行い、学習面を中心としたーダーシップの養成も行います。

 もちろん、こうした新しい取り組みをするにあって大切なことは普段の授業にほかなりません。それを確保するためには、教員自身による丹念な授業準備と質の高い授業が必要なことは疑いがありません。コロナ禍において私たちがこだわり続けてきたことは、その先生にしかできない「オンリーワン」の授業であり、クラスという多様な生徒の学びに対応した学習にあります。また、学習だけでなく、意見や好み、能力・特技の異なる生徒たちが協働して行事や部活動など新しいことに挑戦する姿勢、認め合うことこそが大事です。それはオンライン授業では充分に担保できません。一方で、学びの主役である生徒の側からすれば、「わくわくするような学び」を追求すること、画一的な学びを超えて生徒自身が学びそのものをつくり出すことが大切です。ともすれば「答えを覚えること」「答えにたどり着く方法を学ぶこと」のように、学びを効率化・矮小化している場合も少なくありません。こうしたことを踏まえ、今年度から「生徒による授業評価」も大幅に見直し、より客観性・信頼性の高いものに変え、教員・生徒自身が振り返られるようにしました。いずれにせよ、こうした改革は、主役である生徒自身が身につけてこそ意義があります。自らが学ぶ姿勢を失わないためには、興味ある学問・科学に関する本を読むことが一番の近道です。1027日~116日は読書週間。今年の標語は「最後の頁を閉じた 違う私がいた」ですが、ぜひ皆さんもリーフレットにある「新しい自分との出会い」を楽しんでください。