【校長ブログ】ヴィーガン・スイーツのお店
近年の海外での日本食ブームや食の多様化、健康食への注目度の高まりの中、“ヴィーガンvegan”“ヴィーガニズムveganism”という言葉を耳にする機会が増えました。また、よく似た言葉に“ベジタリアンvegetarian”または“菜食主義”という言葉もがあります。ここでは簡単に両者の違いについて説明しましょう。もともとヨーロッパでは19世紀中頃に“ベジタリアン”という言葉が生まれ、ここから派生して今から70年前頃に“ヴィーガン”という言葉が誕生したとされています。“ヴィーガン”とは、「ピュアなベジタリアン」を意味し、「肉・魚介類に加えて、卵・乳製品・蜂蜜なども一切食べない人」を指しています。最近の調査では、アメリカの人口の6%(およそ2000万人)が“ヴィーガン”だと推定されています。 ヨーロッパでは、ドイツに“ヴィーガン”が多く、特にベルリンでは総人口約300万人のうち約8万人が“ヴィーガン”だと推定されています(2017年の発表)。
この種の話によく登場するアジアの代表がインドですが、ある資料によると住民の約4割が“ベジタリアン”“菜食主義”とみなされており、仏教、ヒンドゥー教、ジャイナ教など、古くから続くそれぞれの宗教的規制によるものです。現在、欧米などでは、持続可能な社会の達成(SDGsなども含め)や環境保全との関わり、健康な長寿社会を維持する上で予防的観念や食生活に対する関心から、“ヴィーガン”“ベジタリアン”への関心がますます高まっていると言えるでしょう。こうした意味では、日本において鎌倉時代の仏教文化から生まれた精進料理も“ヴィーガン”“ベジタリアン”料理の魁けとも言えるでしょう。
余談ですが、私の知人の中には、旅行でのプレミアム感を得るために「俄ベジタリアン」となり、航空券の予約時に“ベジタリアン専用食”をリクエストする人もいます。因みに、ほとんどの航空会社がこの種のリクエストに応じてくれるそうです。
ところで、近くにこうした“ヴィーガン”食品を扱う店ないものかと調べて見ると、小田急線新百合ヶ丘の駅から歩いて13分、王禅寺五差路の交差点に面する場所に『メルシーサンクmerci cinq』という可愛く素敵な洋菓子店*があることを知りました。しかも、その経営者・パティシエが本校中学2年生の保護者:伊東かおりさんということを知りました。店名にある「サンクcinq」 とは、フランス語で「5」を意味し、お店の立地する「五差路」に因んで「地元五差路へ愛着を込めて」命名されたそうです。ケーキやクッキーなどの製造、販売だけでなく、お菓子教室(メゾン・ド・カオリ)も開校なさっています。もちろん、この季節ですからクリスマスケーキも作ってらっしゃいますが、残念ながら予約は12月6日まででした。また、オンラン・ショップも行っていらっしゃいます。
お店のホームページの説明によれば、「卵、乳製品、精白糖などは使わず、豆乳や、有機栽培をベースとした材料を積極的に使用する事でより体にやさしい製品を中心にスタートしました。 動物性素材を使った一般的なシュークリーム、生クリームケーキも展開していますが、少しでも多くの方にヴィーガンスイーツを知って頂き、身近なものとして理解頂きたいという想いで展開をしています。」とあります。食物アレルギーへの対応などをお考えの方は元より、健康食やお菓子作りに興味ある方は、一度、『メルシーサンク』のホームページを閲覧してみてください。
現在、全国的にCOVID-19感染症拡大第3波の大きなうねりに翻弄され、自粛と不安の中で年の瀬を迎えようとしています。少しでも明るく楽しい来年になるようにと、『メルシーサンク』からお菓子の詰め合わせを取り寄せ(生徒の皆さんには申し訳ありませんが)、教職員でいただくことにしました。学校で料理も自由につくれるような状況になりましたら、私も腕を奮い、そのうち皆さんに楽しんでもらおうと思います。それまで、感染症対策をしっかりしてこの冬を過ごしましょう。
*メルシーサンクのホームページhttps://mercicinq.com/
住所 〒2150021
神奈川県川崎市麻生区上麻生2丁目36-17SSコーポ1F 電話 044-567-0621