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聖ヶ丘ニュース
校長

【校長ブログ】「桃の節句」と「ミモザの日」

 3月8日は「ミモザの日」。花屋の店先には小さな黄色の円い花が房状になったミモザが並んでいました。また、国連が女性の社会参画と女性が自分らしく輝ける社会の実現を求めて1975年に制定した「国際女性デー」でもあります。これは190438日、アメリカ合衆国のニューヨークで、女性たちが参政権を求めて集会を開いたことが起源とされています。イタリアではこの日を”Festa della donna(女性の日)”と呼び、家族や身近な女性に感謝を伝える日としています。ルーマニア、ロシア、ウズベキスタンなど旧社会主義だった国をはじめ、ブルキナファソ、ウガンダでもこの日を祝日にしています。日本では、3日の「桃の節句」、8日の「ミモザの日」、14日の「ホワイトデー」と女性には嬉しい日が続きます。

 ミモザMimosaという名の由来を調べてみると、本来は「オジギソウ」を指す言葉だそうで、私達が今、切り花や庭木として楽しんでいる「ミモザ」は、フサアカシヤAcacia dealbataやギンヨウアカシアAcacia baileyamaの俗称、つまり北アフリカを原産地とするマメ科ネムノキ亜科アカシア属を総称する植物です。ソメイヨシノより少しだけ早く咲き始めるため、春の訪れを告げる花としても重宝されています。そういえば、オジギソウとギンヨウアカシアは葉の形が少し似ています。

 さて、ミモザの花言葉は、「秘密の恋」「友情」「感謝」。しかし、何と言っても、ミモザと言えば、成長が早く四方に枝を伸ばし、僅か1年で3メートルを超える高木に成長する植物です。我が家でも、人差し指程度の緑色の柔らかい茎を持つミモザを手に入れ、庭に地植えをすると、あっという間に大きくなり、その手入れに困ったほどです。その上、台風や強風の日には枝が暴れて、軒や雨戸を打ち付けて大きな音を立てるほどでした。

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 本校では、学年末考査が終わり、特別時間割期間となっています。教員にとっては、答案の採点や学年末の成績処理などで大忙しの時ですが、生徒諸君は中学・高校卒業式まで一休みといったところでしょうか。

 こういう時こそ、是非、読書を楽しんでほしいものです。17世紀に活躍したフランス生まれの数学者・哲学者デカルトRene Descartes[1596-1650]の『方法論序説』は、次の言葉で始まります。「良識はこの世でもっとも公平に分け与えられているものである」と。また、デカルトは言う。「読書とは、過去の偉大な人々との会話である」と。さらに「理性はすべての人に備わっており、その用い方さえ正しければ、真理に到達することができる。…そこでわたしは、『世界という大きな書物』の探求にのりだした」と。本を読むことで、知らない世界を学び、新しい発想と出会えるのです。生徒諸君、宿題も大切だが、しっかり本を読もう。これが書く力を鍛えるのですから。

ref.

 谷川 多佳子 (2014)「デカルト『方法序説』を読む」岩波現代文庫、280ページ.