【校長ブログ】大人が輝けば、子どもが輝く
長いため息や「やったぜ!」とガッツポーズできめた2学期中間考査も今日で終わり、明日から本校初の「秋休み」です。コロナ禍に伴う授業不足を補うために都内の学校で2番目に短かった「夏休み」も8月29日で終わり、2学期は健康診断・身体測定からスタートして始業式も行わず、初日からすぐに授業開始となりました。ここまで多くの異例な対応と我慢を皆さんにはお願いしていますが、ここでしばし休息とリフレッシュをしてください。そして15日(木)から2学期後半に備えましょう。例年2学期に行っている修学旅行、イングリッシュキャンプ、校外学習、合唱コンクールなどの学校行事については、現在、最終判断に向けて調整中ですので、今しばらくお待ちください。15日にお知らせします。
さて、10月に入り、校舎入り口に掲げた言葉を1学期から続けた「配送者の皆様に感謝します」から、「今を大切に!」「受験生の皆さんを応援しています」と「大人が輝けば、子どもが輝く」に変えました。こらから受験期を迎える、小学6年生、中学3年生そして本校の高校3年生に向けた言葉です。1つのフレーズに、数多くの受験生の皆さんへの願いを込めている訳ですから、1粒で3度美味しい言葉と言えるかも知れません。ただ、私たちの想いは文字通り受験に向けて、今、自分自身の可能性を高めるようと日々努力を重ね、工夫している皆さんへの大きな期待と、心からの応援を込めていることに変わりはありません。
そして、「大人が輝けば子どもが輝く」という言葉には、生徒の一番身近な大人である私たち、教員も含まれています。聖ヶ丘では、多くの議論を重ねて3年前から始めた『A知探Qの夏』という特別講座が、正にその象徴です。叡知探究にQuestionの”Q”とAnswerの”A”を掛けて、ある教員が『A知探Q』と命名した講座ですが、何と言っても本校の強みは全教員がこの講座を担当し、関わっているということが最大の特徴です。また、「教員が楽しまなくてはいい講座はできない」との理念から生まれたこの自主講座は、一人ひとりの教員の得意とする内容、いま興味をもっているテーマを取り上げることにしました。しかも入り口の敷居は低くして、最終的には本質に迫るところまで高めることを理想として始めました。対象は中学1年生から高校2年生までの希望制とし、いわゆる縦割り編成で、また他教科の先生と協力した講座など、異年齢のグループで作業したり、話し合ったり、討議したりする形式とし、最終的にはポスター発表することを課題とし、一部ではプレゼンテーションするまで挑戦しました。たとえば、理科と家庭科教員による「美味しいプリンの科学」、英語科教員による「EDMを作ろう!」など、昨年は全34講座を開講しました。こうした大人の楽しさが生徒へ伝播していく講座が、学びの本質の一端だと思うのです。しかし、コロナ禍の2020年の夏は、この講座は実施できず悔しい思いをしました。そこで、冬や春の特別時間割の中で、縮小してでも実施できないものかと思案中です。
同じように、ぜひご家庭でも大人の楽しむ姿を見せたり、社会で活躍している輝く人からの体験を聞いたりする機会を設けてほしいと願っています。実物に触れ、共感し、感動し、子どもたちは大きく成長するのです。それが教育の本質だと考えています。いま、「学び」の質的変化や「学び方」が取り沙汰されていますが、その本質は「楽しくなければ学びじゃない」という言葉に尽きると思います。やや手前味噌ですが、「学びの主役は生徒」を理念として開校した聖ヶ丘の役割がここにあり、いま聖ヶ丘の時代がやって来たと感じているところです。こうすることで「子どもが輝けば、未来が輝く!」社会にしたいものです。